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癌以外の難病に対する効果
班目は約20年前から慢性疲労症候群(CFS)および線維筋痛症(FM)の治療に携わってきました。自律神経免疫治療(刺絡)と気診治療の組み合わせで慢性疲労症候群の治療を始めてから、10年以上経ちました。2011年の日本疲労学会および日本線維筋痛症学会で治療成績を発表しました。 慢性疲労症候群では40%、線維筋痛症では30%の治癒率でした。 慢性疲労症候群とは疲労倦怠感が著しく、日常生活を営むことすら困難になる病気です。しかし、検査をしても異常はみられないため、『怠け病』のように扱われる病気です。 線維筋痛症とは全身の痛みが著しい病気です。こちらも慢性疲労症候群と同じく、たくさんの検査を受けても異常がみつからないという特徴があります。 慢性疲労症候群と線維筋痛症は合併することが多く、患者さんはもとより治療する立場の医師も有効な治療法が少ないために苦悩する病気です。
初診時と再診の1~2回だけの診察のため、経過がわからない患者さんを含めたものが総症例です。疲労倦怠感や疼痛の経過が判定できるのが3回以上受診した症例となります。この発表後に慢性疲労症候群と線維筋痛症が合併した患者さんがさらに1名治癒しておりますので、FM+CFSでは3回以上受診した症例では治癒率が30%、総症例からみると22%となりました。
Performance status の変化(治癒症例)
第7回日本疲労学会、第3回日本線維筋痛症学会シンポジウムで発表
自律神経免疫治療(刺絡)と気診治療の組み合わせた治療法の治癒率が高い、といってもすぐによくなるのではありません。病的な状態が改善するためには、ある程度の治療期間が必要です。治癒した慢性疲労症候群の患者さんの疲労倦怠感の指標である、performance status ( PS )の変化を示します。平均では初診時には5を超えておりましたが、湯たんぽなどで身体を加熱・保温しただけでもPSは1.5程度の改善をみております。その後ある程度落ち着くまでには9ヶ月を必要としております。班目が自律神経免疫治療(刺絡)と気診治療の組み合わせの治療を開始する以前は保険診療で、漢方治療を行っていました。その当時は最高にうまくいっても慢性疲労症候群が治癒するのには2年はかかりました。線維筋痛症では治癒例がほとんどない状態でした。線維筋痛症では身体を十分に加熱・保温した症例が治癒しており、それがいまの治療のヒントになっております。
慢性疲労症候群に対する灸治療
踵の中央に大量に直接お灸をすると、踵は写真のように真っ黒になります。十分に踵が温まると疲労倦怠感が軽減するのです。疲労倦怠感の指標であるperformance status は踵が真っ黒こげになるくらいに大量のお灸を据えると改善するのです。8週間のお灸の前後でperformance status の変化をみると以下のような変化がありました。
治療 89巻、3336-3340、2007年
慢性疲労症候群に対する気診治療の効果
慢性疲労症候群で長期間performance status が改善しなかった患者さんを対象に、気診治療の効果を検討したことがあります。通常の西洋医学的に効果的だった向精神薬、十分に考慮した漢方薬、生活指導などを行っても2年以上performance status が変化しなかった症例を対象に気診治療の効果を検証しました。
日本統合医療学会誌 2巻 2号 100-103, 2009年
1~2回/週の気診治療8週間がきっかけになり、8名のうち3名が社会復帰しました。
関節リウマチに対する気診治療の効果
人体科学 18巻 63-67, 2009年
この図はかつて所属していた東京女子医科大学附属東洋医学研究所で経験した、関節リウマチの患者さんの経過です。γ-グロブリンは慢性炎症の指標です。西洋医学の治療だけでは改善しなかった腰の苦しさは漢方治療でも改善できませんでした。治療担当者の退職に伴い班目が担当するようになり、気診治療だけで腰の苦しさが改善しました。さらに漢方薬を変更し、気診治療を併用したところ、ほかの症状および検査データの改善がみられました。 レントゲンで観察しても骨の変形が改善し、ここまでよくなることは珍しいとリウマチの専門家にほめられた症例です。